手の外科グループ
毎週火曜日 午後
母指CM関節症 、手根不安定症、変形性手関節症 (carpal instability, SLAC)、デュプイトレン拘縮(Dupuytren's contracture)、母指靱帯損傷、骨壊死(キーンベック病;Kienböck's diseaseなど)、舟状骨偽関節 、三角線維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)、屈筋腱損傷 、手の先天異常(多指症、合指症など) 、関節リウマチに伴う手の障害 、肘離断性骨軟骨炎(野球肘)、手の骨軟骨欠損など
手、肘の外傷
母指靱帯損傷
スキーで転倒時ストックに親指(母指)をひっかける、といった怪我で母指MP関節の靱帯が切れてしまうことがあります。
母指は物をつまんだり握ったりといった時に必要な指なので靱帯の損傷により関節が不安定になると痛みに加えて力も入らなくなります。特に、MP関節尺側(人差し指側)の靱帯が完全に切れた場合には副木などで固定していてもきちんと治らないことも多く手術が必要になることがあります。怪我から時間が余り経っていない場合には靱帯を縫合することが可能ですが、数ヶ月以上経ってしまってからは靱帯を作り直す(再建する)必要があります。靱帯の再建には、体の他の部分から腱などをとってきて靱帯の代わりにさせます。靱帯を縫合した場合も、再建した場合も術後1-2ヶ月の間関節を動かないように保護した後でリハビリをしていきます。
骨軟骨欠損
事故で関節の一部がなくなってしまった場合、その指や腕は動きが悪くなり痛みがあるためとても使いにくくなります。一方で、関節を覆っている軟骨はほとんど再生しない組織なのでこのように損傷した関節を元通りにすることは非常に困難です。しかし、欠損した部分に軟骨と骨を一塊として移植することで関節の機能がある程度残せることがあります。
ここでは肋軟骨移植を紹介します。肋骨は胸の前の部分で硬い骨から関節の表面に近い肋軟骨に移行します。この境目で骨と軟骨をとってきて、怪我などで欠損した部分に移植するという方法です。生じている関節面の欠損の状態は立体的に非常に複雑なため当院ではこのような手術を行う前にCTのデータから石膏の立体模型を作って手術がスムーズにいくための準備をしています。
また、事故だけでなくいわゆる野球肘といわれる肘の離断性骨軟骨炎でも大きな関節面の欠損が生じることもあり、その場合にも肋軟骨を移植することも可能です。