膝関節グループ
毎週火曜日 午後
変形性膝関節症、特発性大腿骨内か骨壊死症、前十字靱帯損傷、後十字靱帯損傷、半月損傷 、反復性膝蓋骨亜脱臼・脱臼、膝離断性骨軟骨炎
半月(板)損傷
半月(板)とは膝関節のなかにあり、大腿骨、脛骨の軟骨の間でクッションの役割を果たしているCの形をした軟骨に似た組織で、内側半月(板)、外側半月(板)の2つがあります。
膝にかかる負担をうまく分散し、膝の安定性にも役立っていますが、膝を強く捻るなどの過度の負担がかかった場合、損傷することもあり治療が必要となります。
解剖
下の図に示すとおり、内側、外側半月(板)があります。周辺より血管が半月(板)に入り込んでいるため、辺縁部の損傷は自己治癒能力がありますが、中心に向かうほど血行が乏しくなり自己治癒能力が小さくなっています。
損傷するきっかけ
おもに、スポーツ中に膝をひねる、高いところから飛び降りる、膝を深く強く曲げるなど過度の負担をかけた場合、損傷することがあります。また、膝の靱帯損傷の既往があり、元々ゆるい状態であった場合、軽度の負荷が繰り返されても損傷することがあります。
症状
歩行時や運動時の膝関節の痛み、腫脹だけでなく、キャッチング(何となく引っかかるが膝が動かせる)やロッキング(引っ掛かる感じがして膝が動かせない)といった症状が特徴的です。また、膝をまっすぐに伸ばせないこともあります。
診断
上記のような症状がある場合、レントゲン検査では正常であることが多く、確定診断にはMRI撮影が必要です。
治療
損傷が軽度である場合、筋力訓練などによる膝関節のコンディショニング、痛み止めの薬、注射でよくなることがあります。
損傷が重度の場合やロッキングの症状が強い場合、関節鏡を用いた手術を行います。
手術
半月(板)の手術には2種類あります。一つは損傷している部分を切除する手術、もう一つは損傷している部分を縫合する手術です。半月板は軟骨を保護するクッションの役割を果たしているため大きく切除した場合、軟骨への負担が増え軟骨損傷を引き起こすことがあり、できるだけ温存することが望ましいのですが、血流に乏しい組織であり、縫合しても治癒せず断裂を繰り返し再手術が必要となることがあります。
このように、損傷の程度により手術方法が異なります。詳しいことは手術を担当する主治医とよく相談してください。
なお、入院は3,4日で済む場合がほとんどですが、術後の後療法は手術内容により異なります。