膝関節グループ
毎週火曜日 午後
変形性膝関節症、特発性大腿骨内か骨壊死症、前十字靱帯損傷、後十字靱帯損傷、半月損傷 、反復性膝蓋骨亜脱臼・脱臼、膝離断性骨軟骨炎
膝離断性骨軟骨炎
概要
離断性骨軟骨炎は軟骨の土台である軟骨下骨の病気であり、膝関節に最も多く発生します。成人にも発症しますが多くは10-20歳代(性別では5:3で男性に多い)に発症します。子供のスポーツ人口の増加によって、発症年齢が低下してきております。現在は軟骨下骨へかかる繰り返すストレス、外傷により疲労骨折が発生することにより発症すると考えられています。
症状
病期の初期で病変部が安定している時は、運動後の不快感や軽い疼痛程度で症状は軽いです。関節を覆っている軟骨に亀裂が入ったりすると、膝関節が腫れてきたり水が溜まってくることがあります。病気が進行して骨軟骨の塊がはがれて関節内を動く(関節ねずみと呼ばれます)と、ロッキング(膝が曲げ伸ばしできなくなること)や引っかかり感といった症状が出てきます。
診察
日常動作やスポーツ活動中の痛みやひっかかり感などの症状を問診します。診察台で膝に腫れがあるかどうかや病変部を押して痛みが出るかどうかを調べます。また膝を曲げ伸ばししてひっかかり感や痛みがあるかどうかを調べます。
検査
X線検査で病変部である軟骨下骨の状態を調べることができます。MRI検査は病変部の大きさや表面の関節軟骨や軟骨下骨の状態を知るには非常に優れた検査であり、病気の進行度や治療方針を決めるのに非常に有効です。
治療
小児ではその自然経過は良好であるとされており、スポーツ活動の休止や松葉杖の使用による局所の安静により治癒することが多いです。定期的な画像検査、診察により経過が良好であれば徐々に活動度を上げてゆきます。
成人では治癒能力が小児と比較して劣ります。したがってはがれた骨軟骨片が自然に治癒することが期待できないため、手術が選択されることが多いです。手術の方法は剥離した骨軟骨片の大きさ、場所や剥離している程度などを考慮して決められます。剥離した骨軟骨片を生体吸収ピンで固定したり、骨軟骨片を移植(モザイクプラスティー)することもあります。
予後
早期発見し適切な治療を専門医で受けることが重要です。良好な力学特性の関節軟骨で病変部が治癒すれば予後は良好です。荷重部に大きな骨軟骨欠損が残存して放置すると将来的に変形性膝関節症に進行することがあります。